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気候変動サミットで発表された各国の温暖化ガス削減目標値について

2021年04月26日

4月22日、23日の2日間、米国主催により気候サミット「Leaders’ Summit on Climate」がオンライン形式で開催されました。

本サミットにおいて菅総理大臣は、我が国の2030年度の温室効果ガス削減目標について、2013年度から46%削減を目指すことを宣言しました。従来の目標値であった2013年度から26%削減という目標と比較すると、かなり野心的なものへと変更されましたが、2050年に実質ゼロエミッションという長期的な視点では、2030年は中間目標であり、その困難さは別として、妥当な目標値といえるかもしれません。

同様に、バイデン大統領は、米国の2030年目標について、2005年比50〜52%削減を表明しました。元オバマ政権時に設定していた2025年までに2005年比26〜28%減という目標に比べ、倍増させています。また、英国ジョンソン政権は、2035年に90年比78%減とこれまでの目標に数値を上乗せするなど、昨年の各国の2050年ゼロエミッション宣言に続いて、インパクトのある削減目標表明が加速されたサミットとなりました。

中国は、2030年時点では具体的な削減目標を明言しておらず、CO2排出量の増加を食い止め、減少に転じさせる(ピークアウトする)ことを表明しています。

各国が採用している基準年が統一されておらずバラバラなのは、パリ協定では削減目標の設定が、原則各国独自の方法に委ねられているため、なるべく排出量の多い年を選んで設定しているためです。

そこで、各国の目標値を横並びで比較できるように、各国の排出量実績データから、各基準年に対する削減目標を表形式でまとめてみました。

表中の太枠部分が、各国が表明している基準年と削減割合です。これを2013年比の縦での比較をしてみると、日本、米国、EUは、それほど大きな違いがないことがわかります。それに対し、英国は、2013年比でも69%削減であり、2035年という5年先の目標設定ではありますが、他国に比べて野心的な数値となっていることがわかります。

今のところ日本では、削減目標達成のための具体的な対策内容が公になっていませんが、審議会での議論の内容などをこのブログでもお伝えしたいと思います。

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