~KOEは太陽光発電ビジネスを共に営む現地パートナーBunthanと、2018年の春からカンボジアのコンポントム州でカシューナッツ栽培事業を始めました。カンボジア・カシューナッツ便りでは、定期的にカシューナッツの成長や現地の様子をご紹介していきます。~
【カシューナッツ加工工場を見学】
11月の初め、代表の冨澤がカシューナッツ農場の様子を見にカンボジアのコンポントム州を訪れました。その際に、同じくコンポントム州でカシューナッツを栽培し、更に加工・販売まで手がけるキッライさんの工場を見学させていただきました。入り口の看板にあるように、ADB(アジア開発銀行)の無償援助を利用して、3年ほど前から事業を開始しているようです。
キッライさんは、もともと20ヘクタールのカシュー農場を持つ農家さんですが、地元の貧しい農家さんにもっと利益をもたらしたいと一念発起し、今回の事業を立ち上げました。カシューを栽培し、収穫したナッツをそのまま販売すると非常に安値でしか売れませんが、手間をかけて加工して販売すれば、何倍もの価格で売ることができます。
おおよその加工プロセスは次の通り。①収穫、②2~3日間天日干し、③倉庫にストック(最大2年くらいは置いておける)、④煮沸(この段階で毒素が抜ける)、⑤再び天日干し、⑥外殻除去、⑦選別と不純物除去、⑧オーブンでロースト、⑨パッキング。
これらを自動でできる大型機械もあるそうですが、高価なため、なかなか手が届かないとのこと。しばらくは、地元住民と一緒に手作業で加工を続けるそうです。
天日干しが終わり、倉庫に置かれたカシューナッツ。
煮沸用のかまど。あまり大きくないため、少しずつ茹でて乾燥に回します。
この機械で、殻を割って、中の身を取り出します。
外側の殻。油分を含んでいるため、絞った油は業者に売れるそうです。
手作業でナッツを選別します。
最後の工程の電気式ロースト機。
現在、年間60トンのカシューナッツを加工・販売しているそうで、プノンペンにあるイオンモールも大事なお客さん。そのほか、欧州からのバイヤーにも販売しているそうです。キッライさんの写真入りパッケージも素敵ですね。
キッライさんは現在、オーガニック・カシューナッツ作りに挑戦中です。オーガニック認定を受けるには、栽培している農場はもちろん、このような加工プロセスなどについて、様々な検査や確認があります。日本人のボランティアや、NGOなどに助けられながら、3年間かけて認定までのステップ4までこぎつけました。あと残すは1ステップのみ。来年には認定取得できそうだと笑顔で語ってくれました。
我らがパートナーのBunthanも熱心に彼女の話を聞き、更にやる気がみなぎってきたようです。キッライさん、どうもありがとうございました!!